【経理歴15年が解説】仕訳自動化の完全ガイド｜実務で本当に使える方法・事例と注意点

経理の現場で「仕訳入力に時間を取られてミスも起こるし、分析や改善まで手が回らない…」という悩みは本当に多いです。

でも今は違います。

かつては手入力が当たり前だった仕訳作成も、

• データ連携
• AI-OCR
• RPA

といった技術の進化によって、かつて「手入力が当たり前」だった領域が驚くほど自動化できる時代になっています。

本記事では、経理歴15年以上の私が実際の現場で導入し、効果を検証してきた「本当に使える自動仕訳の仕組み」を体系的に解説します。

単なる機能紹介ではなく、

• 実務で成果が出た自動化の事例
• 導入時に必ず直面するリアルな課題
• 見落としがちな注意点

まで、実体験をベースに深く掘り下げています。

「仕訳入力作業から解放されたい」

「月次をもっと早く終わらせたい」

そんな方にとって、この記事は確実に明日の経理を助けるヒントになるはずです。

ぜひ参考にしてみてください。

自動化スキルを武器に年収アップを狙うなら、経理に強い転職エージェントの活用が最短ルートです。

	JACリクルートメント	リクルートエージェント	ヒュープロ	マイナビエージェント
おすすめ使用法	できるだけ年収アップを狙った質の高い求人をゲット	より自分に合った職場を広く探すため選択肢を増やす	経理特化の専門性の高いアドバイザーを味方にする	慣れない転職活動で丁寧なサポートを受ける
特徴	特化型	総合型	特化型	総合型
経理系求人数	約1,000件	約8,000件	約3,000件	約2,000件
ポイント	高年収が狙えるハイクラス領域で最大手	業界最大手で全業界の経理を扱い求人数No.1	管理部門特化型エージェント業界最大級の求人数	担当者のサポートが丁寧で安心
対象年代	30代～50代	20代～50代	20代～50代	20代～30代
費用	無料	無料	無料	無料
対象エリア	全国	全国	全国	全国
詳細	詳細を見る	詳細を見る	詳細を見る	詳細を見る

自動仕訳とは？具体的な仕組み

仕訳の自動化とは、経理が日々手作業で行っている「仕訳の作成・登録」をシステムやツール、AIを活用して自動で処理する仕組みです。

• 業務負荷が軽減
• 手入力、再入力の作業時間が削減
• 入力ミス、入力漏れの防止

にもつながり、経理の重要なタスクでもある「決算の早期化」にも大きく効果があります。

そんな仕訳作成を自動で処理できれば、業務効率化に大きく貢献できます。

特に、

• 入金・出金
• 請求書処理
• 経費精算

などは反復作業が多く、「決められたパターン」で処理されるため、自動化との相性が抜群です。

仕訳を自動化する仕組みは、いくつもあります。

私は実務で自動仕訳導入に積極的に取り組んできました。

その結果わかったのは、経理の様々な業務の中ではおおよそ以下の3種類に分けることができるということです。

それぞれの自動化の仕組みについて、詳しく解説していきます。

経理業務の自動化については、以下の記事で詳しく解説しています。
» 経理業務の自動化とは？即使えるツールと導入ステップを経理歴15年の経理マンが徹底解説

他のシステム、サービスからデータ連携して自動化

私が現場でとても効果を感じているのが、「社内システム」や「外部サービス」とのデータ連携による自動仕訳。

たとえば、会計システムへ以下のようなデータを 毎日 or 毎月 自動で取り込み、仕訳作成までしてくれます。

• 販売管理システム（売上や原価の自動連携）
• 請求書発行サービス（社内システムからの連携）
• 経費精算システム（社員の交通費や経費）
• 銀行明細（オンラインバンキング連携）
• クレジットカード明細（法人カード各社）
• ECプラットフォーム（Amazon/楽天など）
• POSレジ（Square/スマレジなど）

販売管理システムや請求書発行サービス、経費精算システムなどは、多くの企業で仕訳連携までされています。

一方で、銀行明細のデータ連携やカード明細、ECサイトからの自動仕訳は、まだ導入が進んでいない企業も少なくありません。

具体的には、深夜に会計システム側へ自動的に銀行明細やカード明細が更新され、以下のような仕訳が起票されます。

• 普通預金 / 売掛金　（売上金額回収）
• 普通預金 / 受取利息　（利息入金）
• 消耗品費 / 未払金　（カード明細より費用計上）
• 未払金 / 普通預金　（カード引き落とし）

翌朝確認して承認するだけで仕訳が転記されます。

データ連携とAI学習が組み合わさることで、従来は担当者の経験に依存していた処理が、

• 標準化
• 高速化

して、ミスも劇的に減少します。

経理のAI活用については、以下の記事で詳しく解説しています。
» 経理業務のAI活用とは？現状と事例、メリットと注意点を経理歴15年の経理マンが徹底解説

入力に追われる経理から脱却するためには、まずデータが自動で会計に流れ込む仕組みを持つこと。

仕訳作業をどれだけ自動化できるかで、月次のスピードも精度も大きく変わります。

紙媒体の請求書、領収書、レシートをスキャナで読み取り自動化

紙の請求書やレシートは、これまで経理担当者が手入力で処理し、毎月の業務負荷を大きくしていた領域です。

AI-OCRとは？

AI-OCR（Optical Character Recognition）とは、紙の書類をスキャンしてテキストデータに変換する技術のことを言います。

従来のOCR（光学文字認識）に加え、AIが手書き文字や複雑な書式も自動で認識してデータ化することが可能です。

実際、紙請求書やレシートから、以下の情報をAI-OCRで自動で読み取ります。

• 取引先名
• 日付
• 金額（税抜・税込）
• 税区分
• 支払方法
• 請求書番号
• 明細内容（複数行も対応）

具体的な業務の流れは次のようになります。

請求書・レシートから仕訳を自動化する仕組み

1. 紙の請求書やレシートをスキャナ or スマホで撮影

• 複合機でスキャンしたPDF
• スマホで撮影した写真
• メールで受け取った請求書PDF

何かしらの方法で請求書データを準備してください。

2. AI-OCRが内容を自動読み取り

PDF化した請求書データをAI-OCRでデータ化し、文字情報を自動で抽出します。

それぞれの項目のデータを自動で拾うので、手入力でシステムに情報を登録する必要がありません。

3.科目ルールや過去のパターンを元に仕訳を自動作成

予め設定したルールに基づき自動で仕訳を作成します。

また、AIによって過去の仕訳からルールを学習し予想するので、使えば使う程精度が上がるのが特徴です。

4.担当者が確認して承認するだけ

ここまでで、AI-OCR → 自動仕訳まで終わっているため、担当者は

• 金額や科目が正しいかを確認
• 問題なければ「登録」ボタンを押す

というチェック作業だけで完了。

その他、各種手入力の仕訳の自動化

仕訳の自動化の仕組みとしての最後は、ここまで紹介してきた

• データ連携
• スキャナ読み取り

以外の仕訳です。

実際の経理では、毎日多くの仕訳を会計システムに「手入力」しています。

詳しくは、この後解説していきますが、手入力仕訳の自動化には

• パターンの共通点を見つける
• 仕訳作成の流れを定型化する
• 仕訳の元となるデータが存在するか

という視点が欠かせません。

担当者が「毎回バラバラに入力しているように見える仕訳」でも、分解してみると次のような特徴があるケースがあります。

• 毎月ほぼ同じ勘定科目で処理される
• 定期的に発生して金額だけが変わる仕訳
• 取引先・支払内容が繰り返し登場している
• Excelなど別にデータベースがある

一見すると複雑そうに見える仕訳でも、「型」さえ見つければ自動化できる。

実際に私が導入してきた手入力仕訳の自動化でも、

• RPAでコピペ作業を丸ごと自動化
• AI仕訳提案で勘定科目の選定を任せる
• 定型仕訳、テンプレートで毎月のルーティンを一括化
• Excel → 会計システムへ連動させる仕組み作り

といった取り組みによって、手入力仕訳を自動化できたケースもとても多いです。

経理のRPA活用については、以下の記事で詳しく解説しています。
» 経理業務をRPAで自動化！実際の活用事例と導入のポイントを経理歴15年が徹底解説

手入力仕訳は、

• 属人化
• ミス
• 時間がかかる

といった課題が最も発生しやすい領域です。

裏を返せば自動化の恩恵が最も大きい領域でもあります。

ここを変えるだけで、経理の生産性は一段階上がることを実感しています。

仕訳を自動化する方法と実例

ここまでで解説した通り、仕訳の自動化といっても種類は複数あります。

具体的な経理業務の自動化方法は、それ以上にたくさんある。

ここでは、実際の現場で効果の高かった

• 具体的な自動化手法
• 実例

を紹介します。

どの方法も、初期設定や準備をしてしまえば毎月の仕訳作業が劇的に減り、担当者のミスや負荷も大幅に軽減できます。

会計システムの定型仕訳を活用

会計システムには、毎月など定期的に発生する仕訳の型を「定型仕訳」として登録できることが多いです。

• 毎月の家賃
• 各種サービスの利用料
• 振替伝票のルーティン処理
• 月次の給与や社会保険料の振替

一度、定型仕訳を登録しておけば、1クリックで複数仕訳をまとめて作成できます。

ゼロから仕訳を入力するのとは、まるで作業時間が違う。

定期的に発生する仕訳は、必ず定型仕訳登録をおすすめします。

定型仕訳は、明細行数の少ない仕訳を簡単に呼び出して、数か所データ更新して仕訳登録する運用が最適です。

マクロで会計システムインポートデータ作成

元となる仕訳情報をExcelで管理している場合は、Excelマクロ（VBA）の活用が非常に有効です。

例えば、家賃の支払（按分）処理。

総務部が各部署、各支店の負担割合を面積ベースでExcelにまとめているケースでは、毎月同じレイアウトのデータが並ぶことが多いです。

このような「毎月フォーマットが固定されているデータ」であれば、マクロで自動集計し、

• 伝票日付
• 科目
• 負担部署
• 金額
• 税区分
• 相手先
• 摘要（内容）

などの仕訳に必要な情報をまとめて、会計システムのインポート形式に一括変換できます。

実際、複雑な仕訳ほどExcelで元データが管理されていることが多いため、

「元データ → マクロで自動加工 → 仕訳データ」

という流れを作ることで、仕訳作成を自動化できるケースが非常に多いです。

最初は簡単な処理から手を動かしながら覚えていきました。

いざやってみると、意外と少ないコードでも業務を大きく効率化できる場面が多いことを知れました。

Excel業務の中には、手順が決まっていて繰り返している作業がたくさんあります。

そうした業務は、少しずつでもマクロを取り入れることで、無理なく自動化できます。

まずは身近な作業から試してみるだけでも、十分に効果を実感できるはずです。

経理のマクロ活用については、以下の記事で詳しく解説しています。
» 【経理歴15年】エクセルマクロ（VBA）で経理業務を自動化する方法｜属人化ゼロ！

AIによる仕訳予測判定

最近では、仕訳の自動化は「決まったルールに沿って仕訳を作る」運用だけではありません。

• 過去の仕訳パターンを学習し、支払先・金額・摘要との関連性を把握
• 類似取引から科目・補助科目・税区分を自動推定
• 「人的ミスが多い仕訳」を自動修正

私の実務経験上、特に効果が高い領域は以下です。

• 銀行明細（オンラインバンキング利用）
• クレジットカード明細（法人カード）

それぞれの明細をAIに投げることで、会計システムに自動で仕訳を登録してくれます。

また、RPAを組み合わせて、入金消込の自動化も可能です。

• 銀行APIで明細データをリアルタイム取得
• 請求データと入金データをAIが突合して消込
• 消込仕訳計上

入金明細のパターン（振込人名の揺れ、端数差額、まとめ入金）を学習するのでだんだん精度が上がっていきます。

昔は「振込名義が違う」「複数請求まとめ入金」は手作業必須。

AI仕訳の精度は年々向上しており、最終的には人が確認するだけで処理が完了するような仕組みが増えています。

• AIが仕訳を自動生成
• 担当者は「OK/NG」をチェックするだけ
• NGで修正した内容をAIが再学習

という流れで、使い続けるほど、AIの判断の正確さもどんどん向上していくのが特徴です。

手入力や科目判定に時間を取られることがなくなるため、月次決算のスピードアップや残業削減に直結しています。

AI-OCRによる文字認識

AI-OCRの技術による自動読み取りで仕訳を作成します。

内容は、冒頭の「請求書・レシートから仕訳を自動化する仕組み」で解説した通りです。

今でこそ当たり前のように使われているOCRですが、数年前までは

• 文字が潰れて読み込めない
• 結局手入力のほうが早い

という現場の声も多く、なかなか浸透しづらい仕組みでした。

近年のOCRは精度が段違い。

OCR ＋ ルールベース ＋ AI学習 が組み合わさることで、

• 読み取る
• 判定する
• 仕訳を作る
• 会計システムへ登録する

までが一連で完結します。

OCRは、かつての「読み取るだけの技術」ではない。

AIの進化によって、仕訳作成そのものを任せられる実務インフラへと変わっています。

請求書やレシートを集めて入力する時代から、「読み込ませれば仕訳まで自動で完成する」時代へ。

ここを自動化できるかどうかで、経理の生産性と価値は大きく差がつきます。

経費精算の自動化

経費精算システムを導入すると、経理の負担だけでなく、申請する従業員の手間も大幅に削減できます。

従来のように

• 領収書を貼る
• 金額を手入力する
• 交通費を経路検索する

といった作業は、今ではほぼ不要です。

領収書の写真を撮る
↓
AIが読み取る
↓
仕訳が自動生成
↓
承認
↓
支払処理

という一連の流れがすべて自動化されます。

立替経費の精算：領収書を撮影するだけで仕訳が完成

まずは社員が、飲食代・タクシー代・備品購入などの領収書をスマホで撮影。

AI-OCRが、

• 日付
• 金額
• 店舗名
• 品目

を自動で読み取り、勘定科目や税区分まで判定します。

ICカード交通費の自動取り込み：Suica / PASMO連携で入力不要

交通系ICカードをシステムに連携すると、利用履歴が自動で取り込まれます。

そのまま交通費の仕訳を計上することができます。

さらに、AIが過去の申請データを学習するので、「これは定期区間内なので申請対象外」といった判定まで可能。

経理側のチェック時間も大きく削減できます。

日当・宿泊費：旅費規程に沿って自動計算

出張申請の内容（目的地・泊数・日程など）を入力すると、システムが旅費規程に沿って

• 日当
• 宿泊費
• 交通費

を自動計算して自動で仕訳作成します。

旅費規程が複雑な企業では、社員が自分で計算して間違えるケースが多く、差し戻しが常態化することが多いです。

経理と社員間の確認や修正依頼のやりとり往復時間も激減します。

承認後の支払処理までワンストップで自動化

承認された経費データは、

• 費用計上仕訳作成
• 振込データへ変換

などに自動連携され、会計システムへ流れ、支払処理まで完了します。

間違いを指摘するやり取りが激減することは、お互いのストレスから解放してくれる。

自動仕訳のメリット4選

私自身、複数の会社で自動仕訳の仕組みを導入してきました。

自動仕訳は、入れてよかった施策ランキングを作ったら絶対上位に入るレベルで効果が大きいと実感しています。

ここでは、自動仕訳の4つのメリットをわかりやすく解説します。

入力作業の時間が大幅に削減される

自動仕訳の最大のメリットは、とにかく「手で入力する量」が減ること。

• 紙の請求書や領収書のデータ化
• システム同士の連携
• 銀行明細の自動取り込み

などが進んだことで、今では人の手で仕訳を作る回数を激減させられます。

私の過去の実例ですが、請求書支払処理の業務で、月間1,500件ほどの仕訳を2名の担当者で手入力していました。

月末の残業時間は「月20時間→5時間」まで圧縮されました。

人的ミス（ヒューマンエラー）が激減する

手入力が少なくなるということは、

• 金額ケタ違い
• 科目の誤り
• 入力漏れ

などの人的ミスも最小限に抑えられるということです。

特に経理は数字を扱うため、1ヶ所の誤りが対外発表される決算書全体に影響するリスクを抱えています。

自動仕訳は、

• 元データから自動集計
• ルール通りに処理
• AI-OCRで機械的に読み取りデータ化
• 入出金明細から金額をそのまま取得

するため、ミスが起きにくい仕組みを作れるのが大きな強みです。

決算の早期化が実現できる

自動仕訳が使えると、仕訳計上がどんどん前倒しで準備できます。

• クレジットカード明細は自動連携でほぼリアルタイム反映
• 銀行明細も毎日取り込み
• 請求書は受領と同時にAI-OCRで仕訳化
• 経費精算も申請→承認後すぐに仕訳作成

このように、処理が流れていくのと同時に仕訳も計上されていきます。

そして大きなメリットがもうひとつ。

経営層への月次報告を早く出せるため、意思決定のスピードが一気に上がることです。

• 数字が出るのを待って会議の日程を遅らせる
• 月末の着地が見えず、経営判断が遅れる

こうした課題を解消し、「タイムリーな経営判断」を支える強力な仕組みになります。

経理の高度化が進む（価値の高い仕事に集中できる）

自動仕訳導入で大きいこととして、経理が「本来やるべき仕事」に時間を使えるようになることが挙げられます。

• 手入力
• 転記
• 照合

といった雑務が減ることで、以下のような付加価値の高い業務に時間を回せるようになります。

• 原価（費用）の分析
• 予実管理
• 数字に基づいた改善提案
• 売上・利益のシミュレーション
• 新規事業の収支モデル作り
• 経営陣へのレポート業務

経理が入力作業から解放されると、会社全体で「数字に強い組織」に変わっていきます。

だからこそ断言できます。

自動仕訳は、単なる効率化ではなく「経理の役割を変える投資」です。

自動仕訳の注意点3選

自動仕訳は非常に便利です。

実際に導入・運用してきた立場として、メリットだけでなく現場で確実に押さえておくべき注意点もあります。

ここを理解しておくかどうかで、運用の成功率が大きく変わります。

AI仕訳は100％正確ではない（最終確認は人が必要）

AI-OCRの読み取りも、連携システムの判定も、完璧ではありません。

サービスにもよりますが、私の感覚では紙の領収書は5〜10%ほど読み取りミスが発生します。

• フォント
• 手書き
• 薄い印字
• フォーマット

などが理由です。

また、AIが自動で勘定科目を提案する機能も、日に日に学習するとはいえ確実ではありません。

最終チェックは必ず人間が行う必要があります。

初期設定に想像以上の工数がかかるケースがある

これは現場の人ほど共感してもらえる部分です。

• 科目ごとのルール決め
• 例外処理の想定
• サービス名・取引先名の整理
• カード明細の分類
• 銀行明細のタグ設定

これらを整理しないと自動化はうまく回りません。

私が携わった導入プロジェクトでも、自動仕訳ルールの設定に2～3ヶ月を使うケースは珍しくありません。

最初にルールを詰めきった現場ほど、

• 修正仕訳が激減し
• 属人化も起きず
• 運用フェーズではほぼ手が止まらない

という状態で日々運用することができます。

最初だけ先行投資と割り切ってサボらず丁寧に設計してください。

システムのアップデートで挙動が変わることがある

RPAやマクロを使っていると、上流システム側のデータ出力フォーマットが変更されただけで、処理が止まってしまうケースも珍しくありません。

私自身、これまで複数の会社でRPA・マクロを導入してきました。

「アップデートで動かなくなる問題」 は定期的に起こります。

• 上流システムのデータ出力の列順が変わった
• 出力ファイルの項目名が少し変わった
• CSVのフォーマットが増減した
• 会計ソフト側の自動連携仕様が変わった

こういう「たった少しの変更」でも、自動化処理がストップする可能性があります。

これができていれば、

• 安定した運用
• 正確な仕訳計上
• スピーディーな月次決算

が継続的に実現できます。

自動化スキルは「経理キャリア」にも直結する

仕訳の自動化が進むと、経理は単純作業から解放され、

• 数字を読む力
• 改善提案
• 仕組みづくり

といった価値の高い業務にシフトしていきます。

実際、私が現場で感じるのは「自動化の知識を持っている経理」は市場価値が非常に高い。

転職市場でも評価されやすいという現実です。

自動化を理解している経理マンが転職で評価される理由

自動化スキルを持つ経理が転職市場で評価される理由は以下です。

• 仕訳の流れや業務プロセスを構造的に理解している
• 属人化の排除、業務改善の経験がある
• デジタルツールに強く、実務に落とし込める
• 会社としても教育コストが低い

実務で自動化に携わってきた人は、採用側の「欲しいスキル」に自然と当てはまるため、年収アップもしやすい傾向があります。

私自身、経理の自動化プロジェクトに関わったあとの転職で、年収が大幅に上がった経験があります。

「仕訳を入力するだけの経理」から、「業務の仕組みを改善できる経理」へ。

この差は転職市場で本当に大きいです。

無料で相談可能なので、まずは情報収集のつもりで一度プロに相談してみてください。

経理の転職活動におすすめの転職エージェントは以下に紹介しておきます。

【比較表】経理におすすめの転職エージェント（4社）

	JACリクルートメント	リクルートエージェント	ヒュープロ	マイナビエージェント
おすすめ使用法	できるだけ年収アップを狙った質の高い求人をゲット	より自分に合った職場を広く探すため選択肢を増やす	経理特化の専門性の高いアドバイザーを味方にする	慣れない転職活動で丁寧なサポートを受ける
特徴	特化型	総合型	特化型	総合型
経理系求人数	約1,000件	約8,000件	約3,000件	約2,000件
ポイント	高年収が狙えるハイクラス領域で最大手	業界最大手で全業界の経理を扱い求人数No.1	管理部門特化型エージェント業界最大級の求人数	担当者のサポートが丁寧で安心
対象年代	30代～50代	20代～50代	20代～50代	20代～30代
費用	無料	無料	無料	無料
対象エリア	全国	全国	全国	全国
詳細	詳細を見る	詳細を見る	詳細を見る	詳細を見る

あなたの今後のキャリア選択の幅が一気に広がります。

経理は専門性が強い職種だからこそ、求人の質に大きな差があります。

経理は実務経験やスキルによって評価が大きく変わるため、「プロが第三者視点で整理してくれる」のは本当に心強いです。

まとめ：仕訳の自動化は「作業を減らす」だけでなく、経理の価値を底上げする仕組み

仕訳の自動化は、単に「手入力を楽にするための仕組み」ではありません。

• 販売管理システム
• 経費精算システム
• 銀行明細
• カード明細

など、多様なデータを自動で連携させ、AI-OCRやRPA、マクロの力を使いながら仕訳を作る。

その結果、経理が本来向き合うべき

• 分析
• 改善
• 経営支援

に時間を回せる環境をつくることこそ本質です。

実際、私が携わってきた会社やチームでも、自動化によって入力作業が減った結果、

• 数字に基づいた改善提案
• 原価分析
• 収益シミュレーション

が飛躍的に増え、経理の存在感が大きく向上していきました。

もちろん、

• 初期設定に工数がかかる
• AI仕訳予測の誤判定
• システムアップデートによるRPAの停止

など、注意点や課題もあります。

しかし、これはどの企業でも乗り越えられるポイントです。

仕訳をどこまで自動化できるかで、会社の「数字の強さ」は決まる。

自動仕訳は、経理が「作業者」から「価値を生む存在」へと役割をシフトさせる強力な武器です。

もし今、

• 毎月入力に追われて分析まで手が回らない…
• 属人化が多くて誰が休んでも回る体制が作れない…

と感じているなら、自動化の第一歩を踏み出す価値は大いにあります。

小さく始めても確実に積み上がり、1年後には業務の質もスピードもまったく違う世界に変わります。

経理こそ、自動化によって最も大きく進化できる部門です。